インタビュー

自由なカタチを選べる素敵なウェディングを沖縄から〜安里ミムさんが描く新しい景色〜

※本記事は2023年6月に旧サイトで公開していた記事を、加筆・修正し再公開たものです。

平敷篤
平敷篤

みなさん、こんにちは!

沖縄で「ほめレポ」ライターとして活動している「へっさん」こと平敷篤(へしきあつし)です。

今回から、僕自身の立ち上げた企画、『「ほめレポ」ライターへっさんの「魂の10番勝負」!』の連載を開始します。

第1回目のゲストとして、インタビューを受けてくれたのは安里ミムさんです!

ミムさんは、沖縄でタレント活動やライター、モデル、ラジオパーソナリティー、アンバサダー活動など、幅広く活躍する、僕にとって憧れの人物。

今回の企画にも真っ先に手を挙げてくださり、魂の10番勝負のオープニングマッチを務めてくださることに。

そんなミムさんは、パートナーのみーちゃんと2023年2月5日に披露宴を行いました。2人とも打ち掛けを着て、2人ともウェディングドレスを着て、自由な形のウェディングを素敵な披露宴でした。

女性はウェディングドレス、男性はタキシードという型通りの考えではなく、自分が着たいものを着るという「自由なカタチ」を提唱しています。

大きな反響を生んだ披露宴を行った後、ミムさんが始めたのは県内初となるLGBTQの皆さんの披露宴やウェディングをサポートし、プロデュースする事業。

本インタビューでは、その「自由な形の披露宴/ウェディング」をプロデュースする「Meme(ミーム)」についてうかがいました。

それでは「魂の10番勝負」、記念すべきオープニングマッチのゴングです!

まずは安里ミムさんについて簡単にではありますが、ご紹介しておきましょう。

安里ミムさんは、沖縄でタレント活動や情報メディア運営、ライター業、モデル、ラジオパーソナリティー、アンバサダー活動、デザイン制作などなど、幅広く活躍しています。

2017年、「みんなのニュース(OTV)」の中で自身がバイセクシュアルであることをカミングアウト。

沖縄県内の女性タレントとしては初めて、ニュース番組でカミングアウトしたことでも知られています。

2020年には、パートナーとなる「みーちゃん」と出会い、2021年5月18日、「Yumewo Katare Okinawa(ユメカタの通称で有名なラーメン屋さん)」でのプロポーズを経て同年、6月6日に入籍。

そして、2023年2月5日に出身地でもある沖縄市の結婚式場NBC(日本ブライダルセンター)で、披露宴を行いました。

披露宴の様子は、こちらのレポートをご覧ください。

「誰もが笑顔になれる」そんな素敵な結婚式に出席させていただきました!〜みむみー披露宴を振り返って〜

そして、現在はLGBTQの皆さんの披露宴やウェディングのサポート・プロデュース事業を立ち上げ、精力的に活動中です。

それが、LGBTQ wedding Meme(ミーム)です。本インタビューでは、Memeのことを中心にお話をうかがってみました。

ペリペリチキン フォレストマーケットライカム店にて〜ちょっとした共通点発見!〜

6月17日当日、ミムさんは沖縄市にて打ち合わせ回りの真っ最中。そんなお忙しい中、時間を作ってくれたことに、まずは感謝です。

場所は、ミムさんとみーちゃんがアンバサダーを務める「ペリペリチキン」さんのフォレストマーケットライカム店。

2022年11月26日にオープンした「FOREST MARKET(フォレストマーケット) ライカム」は、ライカム地区の新しいランドマークとして人気を集めています。

その1階にある「ペリペリチキン」さんは、「ペリペリソース」という南アフリカのチリソースを塗り込んだ鶏肉をグリルしたペリペリチキンが売りのお店。

最後の方には、食レポも掲載予定ですのでお楽しみに!(笑)

約束の時間になると、スーツ姿のミムさんと、大親友でさまざまなサポートを行っておられる森さんが到着。

スーツ姿ってやっぱり「カッコイイ!!」ってなりますよね。2人とも、ビシッと決まっており、ついつい緊張してしまいました(笑)。

森さんには、今回のインタビューの撮影までしていただき、心から感謝です。

さて、緊張しながら企画趣旨の説明をする僕を優しく見守ってくれたお2人。その時、ふと目に止まったのが、ミムさんが持っていた「Vivienne Westwood」の財布。

ヴィヴィアン好きな僕としては、本当なら、そこにいた全員が引くくらいのテンションで喜びたかったですが、それを抑えてミムさんにヴィヴィアン愛を伝えてしまいました(笑)。

ヴィヴィアン好きであることが分かった今、ミムさんのセンスの良さの原点が分かった気がしています。

次は僕に、その素晴らしいほどのセンスの良さを伝授していただきたい限りです。

僕のことをどうして知ったのか聞いてみた!

本題に入る前に、僕の存在をどうして知ったのかをミムさんに聞いてみました。

僕の中では、2つの選択肢があって、1つはミムさんのツイートに対するリプライか、引用リツイートで「憧れのライターさん」で「いつか会ってみたい」と書いたこと。

そして、もう1つが僕が琉球ドラゴンプロレスリングの代表である「グルクンマスク」選手のマスクを被って運用していたアカウント。

さて、一体どちらなのか?僕の予想は、最初のもの!

でしたが、答えは後者!やはりインパクトあるし、丁度その頃、琉球ドラゴンプロレスを観戦していたそうなので、目についたそうです。

披露宴の際もマスク被っていったし、当然の結果ですね(笑)。

そして、多分、披露宴に来た方は、いまだにグルクンマスク選手本人が来ていたと思っているかも?とのお言葉…。も、申し訳ない限りです。

沖縄初の「自由なカタチ」のウェディングが始まる〜Memeについて〜

LGBTQについて関心が集まる中、当事者であるミムさんとみーちゃんは、披露宴を行いました。

冒頭にも書かせていただいた通り、2人ともウェディングドレスを着て、男性だからタキシード、女性だからウェディングドレスという固定観念にとらわれない、まさに「自由なカタチ」の披露宴。

僕自身が披露宴に参加させていただいた感想としては、「なんて素敵、素晴らしい披露宴なんだ!」でした。

まず、2人の顔の輝き、喜びにあふれた表情が素敵だったこと。そして、参加者の皆さんの顔も同じように輝いていたし、喜びにあふれていたことが印象的な披露宴だったことが思い出されます。

「自由なカタチ」を選択することの難しさ

僕の中では、「いつも、元気があふれ、笑顔を絶やさない」という印象の強いミムさん。

しかし、2月の披露宴を開催するに当たっては相当苦労したと言います。

それは、LGBTQのカップルが結婚式や披露宴を行うサポートを行うところがないということでした。

ミムさんとみーちゃんが披露宴を開催した式場側でも難しい点があったと言います。

当日の披露宴会場は、ミムさんとみーちゃんを祝うために多くの人々が集まり、幸せな時間を共有する素晴らしい場所になっていたと、今でも参加者である僕自身は思っています。

ところが式場にとって、LGBTQカップルの披露宴は創業以来初めてのことだったそうです。

もちろん、ミムさんやみーちゃんにとっても初めてのことだったため、式場やウェディングプランナーと、出来ること・出来ないことをひとつ一つ確認していったと言います。

このような確認を行うには、当然ながら何度も足を運ぶ必要があります。しかし、ミムさんは「式場に何度も足を運ぶこと」に、LGBTQカップルの皆さんの悩みがあることを感じていました。

ミムさんとみーちゃんは、見た目は女性と男性です。そのため、何度も打ち合わせのために足を運ぶのは気にならなかったと言います。

しかし、同性のカップルの皆さんから上がっていた声の中には、「周りの目が気になる」というものがあったそうです。

LGBTQの皆さんのウェディングに特化した相談窓口、サポートをしてくれるようなウェディング関連の会社やスタッフがないという現状に直面したミムさん。

そこでミムさんは思います。「それなら、私がやろう!」

自分自身がLGBTQ当事者として生きてきて、LGBTQ当事者のカップルや、パートナーを持ってる方との出会いが多かったことがきっかけとなります。

そして何より、ウェディングへのハードルの高さを感じている方が多いという現実が、ミムさんを動かしたそうです。

LGBTQの皆さんが感じている、「ウェディングに対するハードルの高さ」を少しでも下げられないだろうか。

そう考えたミムさんは、LGBTQの皆さんのウェディングサポートやプロデュースを行う「Meme(ミーム)」を立ち上げました。

僕がミムさんのことを「凄い人だなぁ」と感じるのは、この行動力にあります。思いを形にするには動くことが大事。

自分が動くことで、周りが動き、社会も動いていく。その行動を起こせる力と勇気に感動するばかりでした。

「やっぱり行動力が凄いですね」とインタビュー中に話したのですが、「いや、実は結構ないんですよ」とおっしゃられていたのが印象に残っています。

「ミムさんが行動力なかったら僕はどうなっちゃうの?」と焦りつつ、「いや、行動力の塊だからこそ、自分で気づいていないのだ!」と勝手に結論付けてみました(笑)。

ミムさんは、行動力にあふれた人。この印象はインタビューを終えて、より一層強くなりました。行動力がある人って素敵ですよね。

「幸せな時間」が「幸せな時間」であるために

披露宴前に、ミムさんとみーちゃんはウェディングフォトの撮影も行っていました。2人ともウェディングドレスを着ての撮影。

出来上がった写真は、2人の楽しそうな姿や幸せそうな笑顔にあふれたものでした。

第三者である僕から見ても、その幸せな時間と空気が感じられたのですから、2人はとても幸せな時間を過ごしたのだと思います。

ウェディングフォトの反響は大きかったそうです。

応援してくれる声も大きかったと言いますが、その反面、誹謗中傷の言葉も届いたと言います。

どうして幸せな時間を過ごしているだけなのに、見ず知らずの、顔も分からない人から心無い言葉を投げかけられなくてはいけないのか。

悩んだり落ち込んだり、泣いたこともあったと言います。

それでも、ミムさんは前を向きます。「同じような気持ちを他の人に感じて欲しくない」という気持ちが込み上げてきたそうです。

ミムさんとみーちゃんは、中学校や高校でLGBTQに関する講話活動を行っています。

そこで感じているのは、今の子どもたちの方が発想が自由だということだそうです。

LGBTQについて理解がある子が多く、制服も自分で選べるようになり、女の子だからスカートということはなく、パンツスタイルを選ぶ子も多いと言います。

逆に、差別的な考え方を持っているのは、親世代が多いようです。「俺の時代はこうだった」や「男らしく」「女らしく」という考えが強いと言います。

世界がアップデートされていく中、是非とも親世代の皆さんにも考えをアップデートしてもらいたい。そんな気持ちを持っているそうです。

ミムさんは、こう語ります。

「私たちのことを理解してほしいわけではないんです。理解できないという人も、それはひとつの形で間違ってるとは思っていません。 

ただ、理解ができないことがあった時に、相手にその気持ちをぶつけないであげてほしいんです。

もちろん人間なので 理解できない人がいる。理解できない人に、それはダメです。理解してくださいって強制するのも間違っていると思います。

ただ、理解できないことがあっても、相手にその気持ちをぶつけないでほしいなっていうのは、やっぱり自分の体験から思っています」

この言葉を聞いた時に、なんて凛としていて、強い人なんだろうと改めて尊敬の念が芽生えました。

自分たちを理解してほしい!ではなく、理解できない人がいることを受け止め、その気持ちを相手が傷つくような言葉でぶつけることだけはしないでほしい。

心ない言葉は、ただその人を傷つけてしまうだけ。それも、簡単には癒えることのない心の傷を。

それを慮ることを忘れないミムさん。自分自身が経験していることを、他の人に経験して欲しくないという、その優しい気持ちが、多くの人々を惹きつけて止まないのだと思います。

今の子どもたちが成長し、親世代になる頃には、LGBTQの皆さんにもフラットな気持ちで接するのが当たり前になる時代が来るでしょう。

そうなれば、自分が好きな格好を楽しみ、傷つけられるような言葉を投げかけられることなく、幸せな時間を幸せな気持ちで過ごすことが出来るようになる。

ミムさんの話を聞いている中で、僕はそのような期待感を抱きました。

Memeが行う素敵なサービスとは?

ミムさんが開始したLGBTQの皆さんのウェディングをサポート・プロデュースするサービス「Meme(ミーム)」。

具体的にはどのようなことが出来るのでしょうか?

現在、Memeでは10以上のパートナーの協力を得ており、自由なカタチのウェディングができる体制が整えられています。

パートナーについては、式場や装飾サービス、フォトサービス、ヘアメイク、お食事のケータリングサービスなどさまざまです。

結婚式や披露宴を開催したいというカップルへのサポートやプロデュース。

自宅でウェディングをしたいというカップルには、お食事のケータリングや装飾のお手伝い。

予算を抑えて結婚式や披露宴を行いたいというカップルのためには、公民館でちょっとしたお食事とともになど。

カップルの皆さんの、やりたいことに合わせた提案が可能なスタイルのサービスです。

また、カップルのウェディングフォトはもちろん、シングルでのウェディングフォト撮影も可能です。

さらに、LGBTQの方ではなくても、結婚式はもう挙げたけれど、その時はタキシードだったから今回はウェディングドレスを着てみたいという要望にも応えられると言います。

本当に、自分たちがしたいウェディングを、自由なカタチで行うことをサポートし、プロデュースするのがMemeなのです。

沖縄県内では初となる試み。大変なことは多いと思うのですが、Memeを立ち上げてから約1ヶ月。ミムさんは、とにかく一生懸命に走り回っています。

もちろん、男性はタキシード、女性はウェディングドレスを着るという考えが間違っているというわけではありません。

女性でもタキシードを着たい!スカートは苦手だからパンツスタイルが良いを叶えたり、男性だってウェディングドレスを着てみたいという気持ちに寄り添うことが可能です。

本当に自分が好きな姿で、幸せな時間を提供するMeme。

皆さんの想いを大切に、笑顔のあふれるウェディングを届けてもらえるのは、笑顔が素敵で、心優しいミムさんの想いが詰まっているからでしょう。

結婚式や披露宴はハードルが高いと感じていた皆さんも、一度、Memeへ相談してみてください。

きっと、皆さんの想いを受けて、素敵な時間と空間を提案してくれるでしょう。

安里ミムさんが見ている新しい景色とは

魂の10番勝負企画、最後はこの質問で終わりたいと考えていたので、ミムさんに聞いてみました。

ミムさんが見ている新しい景色はなんですか?

 「ちょっと前までは、夢とか目標にすごくこだわってたんです。社長になるとか、起業するとかが夢だったんです。

あと、プロダクションを作るとか。そこに向けて頑張るみたいな自分だったんです。

でも、夢って結構毎年変わっていく感じなんですね。やりたいことって毎年変わってるなっていうのに気づいて。

やりたい夢が変わってることに、柔軟に自分の心を許していこうって思ったんです。

変わっちゃダメだ、私の目標はあれだ!みたいな感じで引っ張られてたものを、今これをやりたいんだったらこっちに移行してみようという感じのスタンスなんです。

もっと自由にやっていこうって思ったので、 そういう風に生きていきたいなっていうのが今の目標です。

柔軟に変わっていく夢に対して、全力をぶつけていきたい。その都度、その都度っていう感じです。

もちろん、一つの夢に向かって頑張っている人は素晴らしいなって。私もかっこいいと思うんですけど、結構いろんなことに興味が出てしまう性格なので。

その新しい夢をどんどん増やしていって、そこに柔軟に全力で走っていきたいなって思ってます。気持ちを切り替えながら」

ミムさんが見ている新しい景色。それは、自分の夢に向かって走っていく景色。その夢はその時その時で変化して、一定のものではないかもしれない。

でも、その夢ひとつ一つに対しては、決して妥協することなく全力で向かっていく。

たくさんの夢を叶えていく中で、たくさんの人々を支え、そして支えられながら人と人を繋いでいくコミュニティを作るミムさんの姿が見えるような気がしました。

本企画に真っ先に手を挙げていただいたミムさん。この場をお借りして、再度御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

ライターとして憧れ、人間的な魅力に惹かれ、心から尊敬する人としっかりとお話しする機会を得られ、感謝しかありません。

ミムさんの描く夢が、多くの人々の幸せを叶えていくことを心から願い、応援しています!

〜Meme(ミーム)サイト等のご案内〜

Meme公式サイト:LGBTQ wedding Meme

Instagram:-沖縄LGBTウェディング- 【Meme(ミーム)】

ペリペリチキンを食べてみた!ペリペリソースの辛味がクセになる美味しさ!!

ここで、なんと特別企画!インタビュー場所をご提供いただいた、ペリペリチキンさん自慢の料理をいただいちゃいました!

ミムさんからのお持たせだったのですが、これがもう、あまりにも美味しかったので、僕の拙い言葉ながら、食レポをさせていただきます。

まずは、チキンオーバーライスです!

見た目はタコライス風なのですが、ターメリックライスが使われており、目に鮮やかな黄色が、ザ・インスタ映え!的な一品。

味だけにとどまらず、映え要素まで備えているので、インスタグラマーにも大好評に違いありません!

もともとはトルコ発祥の料理だそうですが、ニューヨークの屋台が取り入れて売り出したところ、ニューヨーカーたちに大ヒット!

チキンにレタス、ホワイトソースにペリペリソースがかかったチキンオーバーライス。すべての具材が相性抜群。

シャキシャキとみずみずしいレタスに、スパイスが効いたチキンの旨味、ホワイトソースのコク、ペリペリソースの旨辛い刺激が一体となって口の中に広がります。

これこそ、まさに至福の瞬間。あっという間に食べ尽くしてしまいました!

続いては、ペリペリチキンさんの看板料理、ペリペリチキン!

ペリペリチキンは、辛さも選べるので辛いのが苦手な方でも美味しくいただけます。

ピリッと辛い唐辛子の入った酸味のあるスパイシーなソースを何度も塗り、直火でじっくり焼き上げるペリペリチキン。

柔らかジューシーで、かぶりついて食べるのがおすすめです!ジュワッと広がる鶏の旨味が最高!

テイクアウトの際にいただいたペリペリソースをたっぷりかけて食べると、これまた最高に美味しかったです。

鶏の旨味、ペリペリソースの酸味と辛味、これはビールと一緒にいただくと、もう天国としか言いようがありません!

ぜひ、皆さんもペリペリチキンさんへお越しください!

-インタビュー