イベントレポート お笑いライブ

上の森に集う人々の心を「笑い」という「カナチ」がつなぐステキな時間!FECが与那原にやって来た!〜FECお笑い劇場 観覧記〜

FECお笑い劇場 与那原公演 in 上の森かなちホール

(お笑いライブレポートのため、出演者の敬称は略させていただきます。ご了承ください)

※本記事は2024年3月に公開した記事を加筆・修正し、再掲載しております。

与那原町といえば、「大綱曳」の街だ。与那原町のゆるキャラの名前も「つなひきかちゃん」と言い、綱曳きにかかっている。

かく言う筆者も与那原出身、与那原在住。綱曳きに誇りを持つ町民の一人だ。沖縄三大綱引きの1つとして知られているのだが、「いや、うちの綱曳きこそ、沖縄一だ!」と思っている。

そんな「綱曳き愛」の強い与那原に誕生したのが「上の森かなちホール」だ。2021年4月に完成した多目的ホールは、「沖縄で最もコンパクトな町」に似合うコンパクトなつくり。音楽はもちろん、芸能や演劇にもぴったりな素晴らしいホールである。

与那原町 上の森かなちホール

そんな素敵なホールで、沖縄の老舗お笑い事務所である「FEC」が主催するお笑いライブが開催された。

実は筆者、何度か足を運んでいるのだが日々の忙しさに追い立てられ、レポートが書けていなかったのだ。

色々とご縁のあるFECの皆さんの活躍を、どうしても伝えたい!そんな筆者の熱い思いを詰め込ませていただいた。

2月18日、与那原町 上の森かなちホールで行われたFECお笑い劇場の模様を堪能して欲しい。

前説を担当したオードブルの2人
前説で引きの強さを見せつけたオードブルの2人。(左:松田健吾、右:モコモコもとし)

FECお笑い劇場、開演前の前説はオードブル(松田健吾・モコモコもとし)の2人。4月に単独公演を控えており、人気・実力を兼ね備えたコンビだ。

オードブルが前説を行う際、お客さんの中で誰が一番遠くから来たか、優勝者を決めるゲームを行なっている。その恒例のゲームは今回、まさかの結末を迎えてしまう。

1番目に指名されたお客さんが、まさかの東村(沖縄本島北部の村)という引きの強さを発揮(笑)。いきなり約90km離れた場所が登場したことで、誰もがこの方の優勝を確信していたのだが…。

2番目に指名したお客さんが、まさかの東京から来た方だったという奇跡!(笑)この日は引きの強さが尋常じゃなかった。冒頭で東京から来てくれているお客さんがいることに触れていたのだが、まさかここで引き当ててしまうとは…(笑)。会場全体が大爆笑に包まれる。

会場を完璧に温めたオードブルの2人。話術はもちろんだが強運を持っていたのも、さすがFECの時代を担う若手コンビの1組だと感じた。

さあ、会場はすでに温まっている。お客さんは満面の笑顔で、FECお笑い劇場の幕が上がるのを今か今かと待ちわびている。

緞帳が上がり、FECお笑い劇場が開幕。お客さんは大きな手拍子で芸人たちを迎え入れる。舞台上では、進行役のパーラナイサーラナイの2人と、ゲストを交えた15組の芸人が勢揃い。全員が楽しそうな雰囲気を漂わせながら、「さあ、やってやるぞ!」という、プロとしての気構えを感じさせる良い表情をしていた。

筆者個人的な感想を少しだけ挟ませてもらうと、自身も人前に立つ機会が何度かあった。これがかなり緊張する。全員の目が自分自身に集まっていると思うと、一瞬顔が引きつってしまうのだ。

その経験から、舞台上に立つ芸人の表情が輝いていることに驚きと共に、畏敬の念を抱いていることを申し添えておく。

さて、オープニングを担当するパーラナイサーラナイの2人は、それぞれ、ピンでも大活躍しているコンビだ。

知念臣悟は、沖縄で大人気を博した歴史ドラマで「金丸(後の尚円王)」を演じるなど、俳優としての才能を開花させている。

一方、大田享は「あきら本店」の名前でピン芸人としても大活躍。テレビなどで構成作家も手掛けるなど、多才ぶりがうかがえる。

2人は、すでにウェルカムな状態の会場をさらに盛り上げようと、ケンカ芸を織り交ぜながら進行していく。

毎月開催されているFECお笑い劇場では、誰が面白かったかをお客さんが投票を行い、1位を決める。

そのため、今回ゲストとして参加しているリップサービス(フリー)は、リハ前に紹介されたとき、FEC芸人に温かく歓迎されていたそうだが、投票にも参加すると告げられた途端に敵を見るような雰囲気になったと語っていた(笑)。

盛り上げていきたいだけだと力説して拍手をもらったが、享が「これなんか敵だぜ(こいつら敵だぜ)」と、冗談とは思えないトーンでつぶやいてイジり爆笑をかっさらう。この少しだけ意地の悪いイジりが享らしくて大好きだ(笑)。

そして、それを柔らかくまとめようとする臣悟も良い。ピンで、それぞれ実績を積み重ねながら、コンビとしても素晴らしいバランスを保っているパーラナイサーラナイ。今回は、漫才が見られるとあって、筆者としてはかなり楽しみにしている。

オープニングも終盤にかかり、前半戦に出てくる芸人を紹介。

いよいよ、2月のFECお笑い劇場が開幕する。会場が暗くなり、出囃子が響き渡ると、お客さんの期待感は一気に高まり、万雷の拍手がわき起こった。

ボーズメン KENといえば大柄な体をいかしたコントも面白いのだが、話術のたくみさも一級品であるところが特徴だ。

特に筆者は彼の漫談が好きで好きでたまらない。娘さんのネタはもちろん、以前は某女優さんの話題をイジるなど、かなり攻めたネタを披露してくれた。

今回は一人芝居形式のシチュエーションコントを披露。娘の彼氏から結婚の申し込みを受ける父親役を演じていた。

娘が連れてきた彼氏が、言葉使いが馴れ馴れしく、TikTokで流行った「なぁぜなぁぜ?」を繰り出すなど、とにかくチャラい(笑)。

あまりの失礼さと気持ち悪さに拒否反応を起こし、チャラ男彼氏からの結婚の申し込みはスパッと断っていた。

と、そのとき、音響にミスがあったのだが(?笑)、KENのアドリブで乗り切ることができた。いや、これも実は計算だったのか?だとすれば、KENはなかなかの策士だ(笑)。

続いてやって来た彼氏は、まさかの外国人!しかも名前は「ボブ・モーリー」だ(笑)。言葉遊びのセンスもKENの話術の妙。

音楽が好きなモーリーは、とにかく踊ろうとKENを誘う。断っていたはずのKENだが、翌日にはモーリーに影響されたのか、ダンサー風の格好でラジカセを肩にしながら「娘を頼んだよ」と言って落としていた。

所々、散りばめられる流行の言葉や、言葉遊びにKENの芸人としてのアンテナ感度の高さが垣間見られる。漫談もコントも、しっかりと笑わせてくれる彼には脱帽するばかりだ。

FECの若手コンビとして、頭角を現しているコンビの1組、キンピラゴボウが登場。正統派の漫才はもちろん、かなりぶっ飛んだ設定のコントまで幅広い武器を持つ彼ら。今回はどのようなネタを持ってくるのか楽しみだ。

キンピラゴボウが用意したのはバレンタインネタ(公演はバレンタインデーの4日後と近かったため)。

バレンタインの思い出を、相方のたいがにたずねるもりみつ。たいがは「両思いなんじゃないか」と学校中で噂になっていた子に体育館裏に呼び出されたことだと答える。

それに「殴り合いとか?」とボケを入れてきたもりみつ。サラッと入れ込まれたボケに会場が笑いで包まれる。

どうやら体育館裏に呼ばれたのは、チョコを渡すためだったようだ。このような他愛もない掛け合いから、舵を大きく切るのがキンピラゴボウの真骨頂。今日のネタも、一気にキンピラゴボウワールドにお客さんを引き込んだ。

チョコを渡す女性役のもりみつ。恥ずかしがる姿が、完全に女性にしか見えない(笑)。そんな愛らしい(笑)女の子が渡したのは、手作りの「う◯ち」…まさかの下ネタ(笑)。しかも、それを前面に押し出してくる展開。

しかし、やはり下ネタは強い。会場が爆笑に包まれた。人は、どんなに成長しても心は子ども。下ネタは大好物なのだ(笑)。

野菜しか食べないから臭くないとか、いや凄く臭いとか、そんな下ネタの王道を貫き通したキンピラゴボウ。さらに飛躍して、女子役のもりみつはオリジナル宗教まで作り出す始末にお客さんは大爆笑。

最後は、たいがの記憶を再現できていたかを尋ねたもりみつに対し、「いや、クソみたいなのに塗り替えてるな!」と、見事な切り返しで落とした。

ここまで徹底して、強烈な世界観に引き込めるキンピラゴボウの2人の発想力と演技力には目を見張るものがある。沖縄の若手芸人、すごい奴らが揃っている!と改めて思った瞬間だった。

少年野球のコーチを演じさせたら右に出る者はいない(笑)!そう言っても過言ではないのが、タワタワタだ。髭剃り後の青さが尋常ではないが(笑)、いかにも少年野球のコーチをしていそうな雰囲気があって、大好きなキャラクターだ。

余談になるが、今年沖縄県内で放送された琉球歴史ドラマ「阿麻和利」に、マグラー(盗賊の親分)役で出演し、視聴者の印象に残る素晴らしい芝居を見せてくれている(ちなみに、クレジットは芸名である「ヨーガリーまさき」。タワタワタは少年野球コーチのキャラ名)。

そんなタワタワの第一声は決まっている。

「ええ、少年野球チームでコーチをしています、タワタさんです。はい、こんにちはー!」

お客さんが挨拶を返すと、しかめっ面をしてこう返す。

「あい!全っ然、元気がないなぁ」

初めてタワタワタを見た人は、ここで「えっ…」となってしまうだろう。このセリフに続くパターンといえば「もう1回!こんにちはー!」なのだが、タワタワタは少し違う。まさかの優しさあふれるギャグを入れてくる(笑)。

「いいよ〜。今元気出すときじゃないからなぁ。その元気は、これからタワタさんがコントするから、それ見て笑うために取っておこうな。ハハッ!」

まさかの、元気はコントを見て笑うために取っておきなさいという裏切りの展開(笑)。さらに最後の「ハハッ!」の笑い顔が最高に面白い!ニカッと満面の笑みのはずが、目が笑っていないため完璧な作り笑顔に見えるからだ(笑)。

今日のコントは、沖縄マラソンを沿道で応援する人という設定。目の前を通る人に、さまざまなミュージシャンの曲をかけて、応援や注意をうながすというネタだ。

特に、苦しそうにしているランナーに、喜納昌吉氏の「花」の1フレーズ「笑いなさい」を連発する場面で観客も笑顔に。

最後は父母会長の銘苅さんを発見したタワタさん。銘苅さんの好きなコーヒーを差し入れようと、なんとコーヒーを淹れ始める(笑)。20分くらいかかるのであれば待てないと、先に進む銘苅さんに対し、コーヒーを淹れながら追いかけて行くタワタさんであった(笑)。

少年野球のコーチという設定に目をつけ、それを「本当にいそうだな」と思わせるまでに昇華させた、タワタワタことヨーガリーまさきの目のつけどころがすごい。よく通る声と、言い回しの妙、表情の三拍子で観客を笑いに包むその技術、筆者は大好きすきだ。

ゴリラコーポレーションは、FECお笑いライブ6ヶ月連続1位獲得という偉業を成し遂げた実力派お笑いコンビ。金髪がトレードマークのこうへいと、スキンヘッドがトレードマークのゆうすけ。

パワープレイのお笑いから、作り込まれたコントまでをこなす、まさにFECのコント職人と言っても過言ではないだろう。

今回は、ゆうすけが体調不良のため、こうへい一人で出演。父親(ゆうすけ・声の出演)の置き手紙の内容にツッコんでいくコントが展開された。

出だし、手紙の冒頭では「探さないでください」と言いながら、「父さん、飲みにいってきます」という居場所がバレてしまうような内容に、お客さんから笑いが漏れる。

松尾芭蕉のように旅をしながら物を書くのが夢だったという父。そして詠んだ句が「こうへいや、俺の息子の こうへいや」という、才能のかけらすら感じさせられない(笑)ものだったため、ここでも爆笑が起こる。

さらに、芭蕉のように旅に出たものの、奥の細道ではさまってしまい動けないという始末(笑)。細道とは、そんな意味ではないのだが、言葉の意味をいじって笑わせるテクニック、好きでたまらない(笑)。

父は、天国にいる文豪たちへのリスペクトや愛の溢れる言葉をつづるのだが、亡くなっていないはずの村上春樹の名前が出てきてしまう(笑)。

さらに、夏目漱石や太宰治の作品をモジりながら、こうへいをディスるという、いや、そっちの方がリスペクトがないだろ!とツッコんでしまいたくなる展開に(笑)。

置き手紙をし、文豪たちへの愛(?)をつづった父だったが、実は隣の部屋で寝ているだけだったというオチには、してやられた感があった(笑)。

今回は、こうへい一人の出演だったにも関わらず、ゆうすけの声だけで、2人が目の前でコントをしているかのように見せる技術の素晴らしさ。実力派コンビの力を見た!と感じた。さすがゴリラコーポレーション!お客さんを喜ばせる術を心得た素晴らしいコントだった。

続いて登場したのは、進行役を務めるパーラナイサーラナイの2人。個々の紹介は先ほど述べた通りなので割愛しておこう。

この2人は、漫才での掛け合いが本当に素晴らしい。しゃべくりの技術や間の取り方、表情などを見ていると、これはピンでも活躍できるのは当然だ!と説得力たっぷりの漫才を見せてくれる。

ネタは、漫画のワンピース派かドラゴンボール派かで意見が別れ、ケンカになるというもの。確かに、人気漫画家の2人であるため派閥があるような気もするのだが、果たしてどのような内容になるのか、非常に楽しみだ。

臣悟が「今年ワンピースが完結するのではないかと注目され、盛り上がっている」と言うと、享が「遅い!鳥山派は、そういうのは30年ほど前に終わっている」と主張。ここから、享がワンピース派かドラゴンボール派かで戦争だ、と物騒なことを言い出す(笑)。

突っ掛かる度に、ストーリー別の孫悟空の構えを披露する享。それに、構えは伝わりにくいと冷静なツッコミを入れた臣悟。この間合いが素晴らしく、客席から笑いが漏れる。

伝わりにくいと聞いた享は、なぜかこれを「某大手スーパーチェーン」に例えると言い出した(笑)。そこに沖縄県内のスーパーも絡めて例えたのだが、これがピッタリ過ぎて会場は大爆笑(笑)。

オチは、大手スーパーチェーンや沖縄の地元スーパーを絡めた物だったが…あえてここでは書かない!(笑)書けない!が正しいかもしれない(笑)。機会があれば、ぜひ生でこの漫才を見てほしい。

それにしても、2人の掛け合いの緩急が素晴らしい。じっくりと語る前半と、オチに向かうにつれ、力強く、テンポアップして行く対比は秀逸の一言。ピンでも見たい2人だが、コンビの漫才も、もっともっと見たい芸人だ。

筆者が最も注目しているFECのフレッシュな芸人、それがつかやまちえだ。彼女の持ち味と言えば、日常の異化にある。「芸人界の大江健三郎」という印象を、筆者は勝手に感じている。

そんな彼女のネタは、女子生徒に体育館に呼び出された男子生徒。バレンタインデーにチョコレートを手渡されるシチュエーション。この日常のシーンが、どのように変化するのか非常に楽しみだ。

男子生徒を演じるちえは、女子生徒からチョコレートを手渡される。しかし、なぜか体育館に集合していた女子バスケットボール部員たちにチョコレートを取られてしまった(笑)。

それをパス回しをするように扱う女バス部員たち。それを必死で追いかけるちえの姿に、お客さんは可愛らしさと可笑しさを覚え、笑い声が漏れる。

チョコレートを渡してくれたはずの女子生徒も、自分のポジションにつき、パス回しに参加(笑)。どう考えてもおかしなシチュエーションが展開していく。

ちえは、舞台をところ狭しと動き回る。これが、より一層、お客さんの心をとらえたのではないだろうか。ここまで動き回るちえを見たことがなかったからだ(笑)。言葉だけでなく、ついに「動き」という武器を手に入れたちえ。期待が高まる。

ずっと、チョコレートを取れずにいたちえだったが、チョコレートを渡してくれた女子生徒からのパスが。驚くちえに、シュートを打つように促す女子生徒。困惑しながらも、ちえが打ったシュートはゴールに吸い込まれる。

喜びと共に、チョコレートをダメにしたことを謝るちえだったが、このチョコレート、まさかの義理チョコだった(笑)。一体、なんのためにチョコレートでバスケをしたのか、そして、シュートを決めたのは何だったのか(笑)。会場は笑いと不思議な余韻に包まれた。

とにかく、このシュールな世界観が何とも言えず好きだ。シチュエーションを考える力、それをどうすれば、面白くできるのかを考える力が凄い芸人、つかやまちえ。期待大の新人だ。

知念だしんいちろうといえば、舞台だけにとどまらないマルチな活躍ぶりと、キャラクターを演じ分けるバリエーションの豊富さが魅力だ。

ユタキャラといえば「大兼のぞみ」と、沖縄の人ならば確実に答えられるほど、そのキャラクターになりきる才能は群を抜いている。

果たして、今日はどのようなキャラクターになりきって、お客さんの前に現れるのか。誰もが期待に胸を膨らませて登場を待ちわびている。

舞台中央に現れた知念だは、どうやら美容室に来ているようだ。しかし、美容師となにやら揉めている様子。どうやら、美容師におまかせしたら、金髪に染められてしまい、それに抗議している様子。

美容師は、地味で真面目そうだから冒険するのも良いかと思って金髪にしたのだという。しかし、知念だは金髪になってはいけない理由があった。実は、裁判官だったのだ(笑)。正体が明かされ、会場は笑いに包まれる。

確かに、金髪の裁判官は信頼できない(笑)。被告人も、そんな裁判官の判決には従わないだろう(笑)。

しかも、午前中の裁判を終わらせ、その合間に美容室に来たという。午後からも裁判があるため、金髪ではダメだと主張する知念だ。もし、裁判官が金髪で登場したら、どう思うのか美容師に詰め寄る。

「前例にとらわれない判決をくだしそう。フフフ、黙りなさいよ!」

なんとうまい返しをする美容師だろうか(笑)。これには、お客さんも大爆笑だ。

この裁判官、薬物事件の裁判中で、その被告が男性アイドルだったため、昼休憩の間に美容室に来たとのこと。ミーハーな裁判官だった(笑)。

そのミーハーという言葉にカッときた知念だは、「権力と暴力を使います」と、裁判官にあるまじき発言をし(笑)、美容師を椅子に座らせる。そして、「電気椅子に座った気分だろ!どうなんだ、おい!」と、キツめの啖呵を切って落としてみせた。

とにかく、知念だの演技力は素晴らしい。そして、ひとり喋りながら、まるで相手がいるように見せることができるのも、知念だの凄いところだろう。笑いの中でキラリと光る演技力。これは知念だしんいちろうの魅力に違いない。

FEC、注目の若手コンビが後半戦のトップバッターで登場。そう、前説で奇跡の引きの強さを見せてくれたオードブルだ(笑)。

芸人としての顔も持ちながら、実は、2人共に得意としていることがある。それが、「麻雀」だ。昨年は、国文祭に健康マージャンの県代表として参加しているほど。

沖縄では、「麻雀エンタメカップ」なる大会も開催されているので、次回大会にエントリーされるのでは?と筆者は密かに期待している2人。こちらもレポートしてみたいと思っている。

登場と同時に、松田健吾が自分たちの呼び込み音声にひとツッコミ。

「オードーワゥ!です。よろしくお願いしま〜す」

確かに、呼び込み音声の発音が良すぎたためか、オードブルには聞こえなかった(笑)。これはハワイ出身のFEC所属タレント、トリーシャが吹き込んだもので、本場の発音だったため「オードブル」と聞こえなかったようだ(笑)。

そんなことはお構いなしに、モコモコもとしが大声で叫ぶ!

「バレンタインをなくすぞ〜!!」

この一声にお客さんは爆笑と、大拍手。もとしは、人生をかけてバレンタインを廃止すると息巻いている(笑)。

しかし、健吾は「バレンタインを楽しんでいる人もいるんだから、良いじゃないか」と、「なぜ、怒ることがあるか」と言って、もとしを諭そうとする。

「その理由を聞くの?」

この一言に会場が笑いに包まれた(笑)。筆者も含め、「ここで笑うのは失礼だな」と思いつつ、これは笑わずにはいられなかったのだろう(笑)。はっきり言って、筆者もバレンタイン廃止派なので、もとしを応援する(笑)。

ここからは、もとしの独壇場だ。「今日、芸人に渡そうとチョコを持ってきている人がいるはずだから、出せ」「バレンタインの日は、既成事実を作らないように、誰にも会わないようにしている」など、何とも悲しい話がてんこ盛り(笑)。

しかし、最後は、バレンタインのチョコレートは、本命でも義理でもなく、「母親からのチョコが一番だ」「家族って素敵」と、キレイにまとめて落としていった。

ここが、オードブルの素晴らしさだろう。狂気的な展開にしつつも、最後はキレイにまとめて落とす。まさに、甘い辛いなど、さまざまな味を楽しめるオードブルのような2人だ。

ただのあきのりは、芸人としての活動はもちろんのこと、現在はラジオカーレポーターとしても大人気だ。

几帳面な性格のため、さまざまなものをストックしていることをネタにしているが、あまりのこだわりぶりに、お客さんからは笑いと同時に、驚きの声が上がる。

例えば、1足のスニーカーを履き続けると、消耗するから、3足くらいストックしているという。なるほど、合理的な気もするが几帳面が過ぎる(笑)。

筆者自身は、それほど几帳面ではないため、ストックまではしていないが理解できることもあるためクスッとしてしまう(笑)。

そんな几帳面なあきのりが、自分の性格を変えて大雑把な人間を目指すというネタを披露。

ネタの始まりは、まず自分自身の几帳面さを示すエピソードを披露する。

ボールペンのインクが早く減らないように、ものすごく小さな文字を書いたり、それでもインクがなくなるのが心配なため、10本はストックしているという。

客席からは、笑いと驚きの声がわき起こった(笑)。

しかし、こんな性格が嫌だと感じたあきのりは、自分自身を変え、大雑把な性格になることを宣言。

プッシュ式の石鹸は、今までは5分の1程度しか押さなかったのを何回もプッシュしたり(笑)、ジーパンは、かがむと膝がすり減るからズボンの裾をたくし上げてかがんでいたりしたそうだ(笑)。しかし、それを止めて、そのままかがむなど今までしたことのない大雑把な行動を連発(笑)。

ところが、「やっぱり気になる〜」と大雑把な性格になることを断念(笑)。自分の心には正直に生きましょうと、お客さんに語りかけてオチとなった(笑)。

この目のつけ所に、筆者個人としてはグッとくる。几帳面な人って、こうだよなぁと実感できるからだ。もしこれから、自称几帳面な人の話を聞いても、まだまだ、あきのりの域には達していないな(笑)と思ってしまいそうな自分がいる(笑)。

几帳面な人間の悲哀(笑)を感じさせられる、そんなコントだった。

筆者が思い浮かべる、いさお名ゴ支部の姿は、のんびりとした話し方に、日常生活で見かけたことを面白く語る姿だ。優しさの中に、ほんの少し込められた皮肉っぽさを感じる語り口が面白い。

また、やぎのシルーというキャラクターでも知られており、老若男女、幅広く知られた芸人でもある。

しかし、予想に反して、今回のいさお名ゴ支部は、パワフルなネタを持ってきた。自分がくじけそうになったことを言うから、それに対して「頑張れって言ってくれ!」と、まるで甲本ヒロトのようなセリフを会場に投げ掛けたのだ(笑)。

頭を振り、体を激しく動かしながら自分がくじけそうになったことを語る、いさおの姿は甲本ヒロトが乗り移ったかのようでカッコいい!

旧正月で名護の実家に帰った際に、鍵穴の中で鍵が折れてしまったいさお。玄関は開かず、両親に玄関越しに「あけましておめでとう」だけ言って帰る結果になってしまう。宜野湾から往復3時間をかけた、ただのドライブになったことを嘆く(笑)。

これは、心の中で「頑張れ!」と言うしかない(笑)。最後は、「気が狂いそう」と口ずさみ、ハーモニカでメロディを奏でてオチをつけた。

この日ばかりは、いさおが甲本ヒロトにしか見えなかった。おそらく、体型も負けず劣らずスマートだからかもしれない(笑)。それが相まって、舞台上のいさおは観客の目の前には甲本ヒロトが降臨していたに違いない(笑)。

ソフトな語り口の漫談から、ハードでパンクなテイストまで、いさお名ゴ支部の幅広い漫談スタイルには脱帽だ。

沖縄が好き過ぎなあまり、2004年から移住してきたという、沖縄愛が溢れているアルティメットスージー。

元々は舞台役者をしていたのだが、縁あってFECに入所。今はデビュー3ヶ月目の芸人として活動しているという、異色の経歴の持ち主である。

彼女と先ほど登場したつかやまちえ、そしてタレントとして所属しているハヂチりかは同期。その中で、少しだけデビューが遅れたスージーなのだが、そのことも含めて今回はネタとして披露していた。

つかみとして持ってきたのは、「FECの最若手」のフレーズだ。実はFECの代表である山城智二氏、女性芸人の大久保佳代子と同い年ということで、客席からは「おお〜」という驚きの声と共に笑いが起こっていた(笑)。

彼女が披露したのは、ネガティブになってしまう自己紹介だ。自分はネガティブな人間のため、そうならないように元気いっぱい明るく自己紹介をすると宣言。

ところが、この宣言直後からすぐにネガティブに(笑)。自分自身のデビューが遅れたのは、ご主人が心筋梗塞で倒れてしまったこと、それも命に関わるほどだったことを赤裸々に告白した。

内容のネガティブさとは反対に、明るい声で話すスージー。自身の辛い体験をここまで赤裸々に語れるのは、芸人としての強さを感じた。一気に、お客さんの心を鷲掴みに。

閏年生まれだから誕生日は4年に1回、十三祝いだと明るいことを言ったかと思えば、老眼で近くの文字が見えないと、すぐにネガティブな方向に持っていく話題転換にお客さんからは笑いが漏れる。

最後は、FECの先輩たちは普段、暗い人が多いと暴露(笑)。だから自分自身も「暗くてもいっか!」と明るく言い放ち落とした(笑)。

ネガティブなことを話すのは大変だと思う。一歩間違えば、笑いにつながらない可能性もあるからだ。しかし、スージーはそれを笑いに転換したのだから素晴らしい。デビュー3ヶ月ほどとは思えない素晴らしい話術。期待感あふれるフレッシュ芸人のこれからが楽しみだ!

いよいよ満を持しての登場はリップサービスだ。お笑いバイアスロンを4連覇、O-1グランプリ優勝も果たしている、名実ともに沖縄お笑い界のトップランナー。実力派コンビの登場に、客席もわき立つ。

ツッコミ担当の榎森耕助は、YouTuberの「せやろがいおじさん」としても知られ、時事問題にも切り込んでいくスタイル。TBSの情報番組でレギュラーコーナーも持っていたこともあり、知名度も抜群だ。

ボケ担当の金城晋也は、芸人だけでなく、テレビやラジオ、舞台など幅広く活動している。中でも、筆者は「OKITIVE」内のコラム、『リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」』が好きで、毎月の更新を楽しみにしている。

そんな2人のネタは、いたって単純な言葉の意味を説明していくというもの。きっかけとなったのは、自己紹介で榎森が言った「本土出身」という言葉だ。

「本土出身と言っても、具体的にどこの人だろうと思った方もいると思うので、説明しておきましょうか」

これを皮切りに、晋也が榎森の発言にしつこく説明するように求めてくる。「沖縄に何をしに来たのか」までは、至極当然のことだったが、「大学分からない人もいると思うので」から雰囲気が一変(笑)。

「オムライスが分からない人が…」「米は…」「卵は…」と畳み掛けるように、誰もが知っている言葉を説明するように促す(笑)。イライラしながらも、それに応えていた榎森だったが、ついにキレて適当に答えるようになる(笑)。

最後は、途中で晋也が自分自身で榎森を説得するために使っていた「ベネフィット」の意味を尋ね、キレイにオチをつけていた。

ここまでの掛け合いが本当に素晴らしい。奈良出身の榎森がマシンガンのようにしゃべりまくるのは、関西人の持つ固定スキルなので驚かない(笑)。しかし、それを冷静にいなしつつ、ボケを巧妙に織り交ぜてくる晋也のスキルには目を見張るものがある。

さすがは、沖縄のお笑いグランプリを制したコンビだ!と納得の漫才に会場は爆笑に包まれた。

完全アウェー(笑)の中、本当に楽しそうに漫才をしている2人を見ていると、こちらも腹を抱えて笑わせてもらえた。フリーとして、さまざまな舞台で活躍するリップサービスの2人。これからも沖縄お笑い界のトップランナーの1組として、ひたすらに駆け抜けてもらいたい。

凸凹トラベリングも、筆者がFEC若手芸人の中で大好きなコンビの1組だ。はちゃめちゃに暴れ回るりょうとを、しっかりと受け止めてツッコミを入れるかいり。彼らの漫才やコントは設定が秀逸で毎回笑わせてもらっている。

今回のネタは、りょうとが風邪をひいたことから、自分がバカじゃなかったことが証明できた!という内容。

登場して開口一番、かいりが「あのさぁ、りょうと。りょうとってバカさ」とぶっ込んできた。りょうとはニコニコしながら、「お客さん、ちょっと待っててくださいね。ケンカしよう!」とかいりに詰め寄る(笑)。

それを冷静に「拳で解決しようとするのがバカです〜」とかいり。しかし、ここで、りょうとは勝ち誇ったような顔になると、こう言い放つ。

「バカじゃないことが証明されました!」

この憎めない笑顔がりょうとの武器だ(笑)。ちょっと憎々しい言い回しも、りょうとの悪戯っぽい笑顔で言われると憎めないし、笑ってしまう。

体調を崩してしまったりょうとが、病院へ行ったことを報告。気分が悪く、「頭痛が痛かった」と話すと、かいりが素早く「頭痛が痛いはバカの言い方だよ」とツッコむ。テンポの良いボケとツッコミに会場は笑いに包まれる。

ジェネリックをジャスラックと言ってしまう間違いや、ことわざが分からずに、目が点になって聞き返してしまったりと、早口でまくし立てて展開していく。テンポ、リズムが心地良いため、ギャグの部分で確実に笑いを取っていく。会場も大盛り上がりだ。

最終的に、りょうとはインフルエンザだったようで、かいりがインフルは風邪じゃなくて病気だと、りょうとに伝えると、りょうとが「自分はやっぱりバカでした」と落とした。

凸凹トラベリングの2人のテンポの良さは秀逸だ。早口でまくし立てるりょうとのボケに、かいりがジャストのタイミングでツッコミを入れる。そのため、途中でダレることなく、最後のオチまで、お客さんを自分たちのペースに乗せて笑いを誘っている。

FECにおいて、若手がこれだけしゃべれる漫才をしているのは、それぞれの努力はもちろんだろうが、やはり諸先輩方の的確な指導の賜物かもしれない。

トリ前に登場したのは、あきら本店。切り口の鋭い一人コントを展開するピン芸人だ。コンビとしては、先ほど登場したパーラナイサーラナイとして活動している。

彼のコントは、シチュエーションもさることながら、個性的なキャラ設定にもある。あるときは出身地である玉城は遠くないことを証明しようとする弁護士、あるときは木こりと泉の女神など、面白さあふれるキャラクターを演じ分けている。

今回はどのようなキャラが登場するのか、お客さんもワクワクした表情で舞台を見つめている。

あきら本店が演じたのは、機内で体調不良になった乗客を助けよるために集まってくる、医者ではない、さまざまな専門家アベンジャーズだ。もう、この時点で筆者は笑ってしまったのだが、とにかく、キャラの演じ分けが面白くて仕方ない。

お腹を押さえて苦しむ乗客のために、医者がいないか呼び掛けるフライトアテンダントのもとには、ハブの毒を取る人やマジシャン、ノーカカー(沖縄でお祝いのときに出されるお菓子「のまんじゅう」に「の」を書く人)と、個性的すぎるキャラが続々と登場する(笑)。

その中で繰り広げられる言葉遊びや、うちなーぐち警察(正しいうちなーぐちを使わないと怒ってくる人)というパワーワード(笑)。これらが、まとまりが無いように見えて、しっかりと伏線となって効いてくるコントに仕上げた、あきら本店の才能には驚愕だ。

最終的に、苦しんでいた乗客は機内に内緒で持ち込んだハブ(笑)に噛まれたようで、最初に登場した「ハブの毒を取る人」に助けを求めてオチがつく。

このコントには、涙を流して笑ってしまった。本当にキャラクター設定が秀逸。ますます、あきら本店のことが好きになってしまう。1公演で、コンビとピンでネタを披露する大車輪の活躍は、素晴らしい!の一言に尽きた。

2月のFECお笑い劇場、ネタ披露のトリを務めるのは、すいんちゅまーまー。「すいんちゅ」とは、「首里の人」という意味を持つ。その名前の通り、首里出身の女性芸人だ。

沖縄では、「首里の人=プライドの高い人」というイメージを持っている人もいるのだが、彼女に限ってはそうではないと、筆者個人は思っている。なぜならば、彼女が演じる沖縄のおばちゃんキャラは、まさに、ザ・沖縄のおばちゃんだからだ(笑)。プライドが高い人には、このキャラは演じられないに違いない(笑)。

沖縄県民のDNAに刻み込まれているであろう(笑)、ハツラツとして、物怖じせず、誰の心にも簡単に土足で上がってくる(笑)おばちゃんの姿を正確に表現しているのだ。

沖縄県民であれば、その姿を見るだけで、その言い回しを聞くだけで、笑い出さずにはいられない。今回は、どのようなおばちゃんに出会えるのか楽しみだ。

まさかのレギンス姿で登場する力技を見せた(笑)まーまーは、どうやら制服のスカートを盗まれた事務員さんというキャラクターのようだ。

いやいや、事務員さんのスカートを盗むというシチュエーション(笑)。ないだろ!と、ついつい心の中でツッコミを入れてしまった。

しかも、思い込みが激しく、スカートを盗んだのはマザコン気味の若手男性社員と決めつけいる(笑)。嫌がらせで隠されているのでは?という同僚からの意見には、こう返す。

「友利さんは、嫌われているから、そんな考えになるんだよぉ。私のことはね、みんな大好きであるわけさぁ」

ポジティブだ(笑)。ここまでポジティブで明るいと無敵だ(笑)。そして悪気なく相手をディスっているのも面白い(笑)。その雰囲気を受けて会場も大爆笑につぐ大爆笑!最後は、社内で会う人会う人に、スカートを盗まれたことを報告しながら総務へ向かって行ったのだった。

まーまーの演技力は、群を抜いていると筆者は感じている。特徴のとらえ方はもちろん、しゃべり方や言い回しが最高なのだ。だからこそ、お客さんは、まーまーの世界に引き込まれて笑ってしまう。

FECの芸人について、みんな演技がうまいと筆者は思っているのだが、その中でも、まーまーの演技力は頭抜けていると思わざるを得ない。

後半は、モコモコもとしが発案した企画、「チョコをもらうのは俺だ!」が開催された。

バレンタインをなくすと声高に叫んでいた、モコモコもとしだったが、本音としては、どうやらチョコレートがもらいたかったようだ(笑)。自分が勝てると考えている芸人と対決し、女性審査員が判定。勝った方がチョコレートをもらい、負けた方にはちょっとした罰ゲームが用意されているという分かりやすいルールだ。

モコモコもとし自身が選んだ、「この人になら勝てる!」と思われている芸人は、次の3人!

知念だしんいちろう

榎森耕助

あきら本店

一応、前情報として伝えておくが、3人とも既婚者(笑)。それでも、勝てると思われた3人は、何としてでも勝たないと立つ瀬がない(笑)。

そして、対決を審査するのは、以下の5人のFECが誇る女性陣!

すいんちゅまーまー

アルティメットスージー

つかやまちえ

仲本百合香

Trisha(トリーシャ)

仲本百合香は、ミス・スプラナショナル2018に日本代表に選ばれ、モデルとして活躍している。また、バレーボールをしていた経験から、スポーツの現場でのレポーターやタレントとして活躍の幅を広げようと活動中だ。

Trisha(トリーシャ)は、ハワイ出身のラジオパーソナリティー。最近では、スタンドアップコメディーの舞台にも立ち、その才能を伸ばそうと活動している。今回、芸人の呼び込みの声を担当し、美しい発音で、モコモコもとしのコンビ名「オードブル」が「オードワゥ」に聞こえるという奇跡を引き起こした(笑)。

FECが誇る、女性芸人・モデル・タレントが勢揃いし、対決の審査を行う。果たして、もとしは勝てるのか?そして、芸人3人は、もとしに勝てるのか?チョコレート、いや、男としてのプライドを賭けた闘いが、今始まる!(笑)

第1試合 vs 知念だしんいちろう 告白対決

誰かに対して、告白している状況を見てもらい、キュンとさせた方が勝ちという、この告白対決。知念だは、やや緊張している模様だ。なぜならば、もとしに負けたら、妻に申し訳ないという気持ちが勝っていたからだった(笑)。

既婚者として、妻の面目を保つためにも、知念だは絶対に勝たなくてはいけない!(笑)知念だが先行で告白対決がスタート!

知念だは、ゆいレールのレール上に女性を呼び、そこで告白するという、何だか訳のわからないシチュエーション。

このシチュエーションに、まーまーの顔が強張る!(笑)

「俺たちにピッタリだと思うんだ、心をつなぐゆいレール。あっちが、おもろまち駅、あっちはお前待ち駅」

クサいような、ダサいような(笑)、なんとも言えない告白の言葉。最後は、浜辺を走るカップルのように、「アハハハハハ!」と爽やかな笑顔を浮かべるような仕草をして終了した(笑)。

後攻は、もとし。もとしはラップで告白するという、カッコいいシチュエーションを選択した。果たして、知念だに勝利することができるのか。

「俺の名前はもとし、持っているぜ軍用地♪」

まさかの、資産アピール(笑)。カッコいいかどうかは置いておいて、これはポイントが高いのではないだろうか(笑)。

審査員の札が上がる。青ならば知念だ、赤ならばもとし。果たして結果はどうなるのか…。司会進行役の知念臣悟は、もとしを甘やかすように、ほめちぎる!(笑)

赤1人、青4人で、知念だしんいちろうの勝利!!

もとしを選んだのは、すいんちゅまーまー。理由は、モノレールのレールの上で告白したのが許せなかったから。大変ご立腹の様子だった(笑)。

勝者には、チョコレートが送られ、敗者であるもとしには、どこかで見たことのあるシルエットの全身タイツ男によるハリセンチョップが!(笑)かなり、大きな音が響き、会場に笑いと悲鳴が入り混じった(笑)。

第2試合 vs 榎森耕助 カッコいいポーズ対決

第2試合は、ゲスト参戦のリップサービスから、昨年結婚したばかりの榎森耕助が登場!しかもパートナーは、モデルも務める美人ときたものだから、負けるわけにはいかない!(笑)

対決内容は、カッコいいポーズ対決。音楽が流れる間に4ポーズを取り、カッコいい方が勝ちという、シンプルかつ分かりやすい勝負だ。

美しいポージングを決める仲本百合香
仲本百合香の美しいポージングに観客からも拍手喝采が起こった

まずはお手本として、仲本百合香がポージングを行う。やはり、モデルとして活躍していることもあり、美しく、スタイリッシュで、クールなポーズを決めた。これには、お客さんから嘆息と拍手がわき起こる。

美しく、クールなポーズを見せつけられた後にポージングを披露することになったのは榎森。こんな空気の中、彼が取ったポーズは、とてもカッコいいとは言えない、グダグダなものだった(笑)。

しかし、これには意味があったのだと力説。相手が銃撃してきたことから、後ろにいる大事な人を守り、お前だけは逃げろ!というポーズを取ったのだという。その気持ちを評価してくれと力説する榎森。その必死な姿に、お客さんからは大爆笑が巻き起こった(笑)。

対するもとしは、その大きな体を活かした迫力のポーズを繰り出し、最後はブレイクダンスの技「片手フリーズ」の形から。巨体を落下させるという荒技を披露(笑)。榎森からは、床が心配になったという言葉が出てくるほど、もの凄い衝撃だった(笑)。

ストーリー性の榎森か、ダイナミックさのもとしか。判定は…青、榎森!

勝因はやはり、最後に付け加えられたストーリー性だったようだ(笑)。ちなみに、もとしは、なぜ負けたのかをスージーに尋ねたところ、最後に「ヨシッ」と言ったことが、イラッとしたからだそうだ(笑)。

2試合目にも負けたもとしは、2人の全身タイツ男からハリセンチョップを受ける羽目に(笑)。

第3試合 vs あきら本店 女性審査員をキュンとさせる大喜利対決

大トリに登場したのは、あきら本店だ。対決内容は、ここまでと毛色が違う「大喜利」対決(笑)。戸惑った様子を見せるあきら本店。もとしは、ここに勝機を見つけることができるだろうか?

お題は、「バレンタインで告白されるも、自分は付き合うことができないということを、相手を傷つけずに世界一優しい断り方をしてください」というもの。

…長い!それに難しい!(笑)さすがにこれは、芸人殺しのお題だ(笑)。これをどのように料理するのか。腕の見せ所でもあるが…審査基準は「キュンとさせる」ことのため、ウケを狙うのも違う気がするし…(笑)。そのように考えていると、臣悟から、まさかの「面白くなくていい」発言が飛び出した(笑)。

果たして、あきら本店と、もとしは審査員たちをキュンとさせる答えを絞り出せるだろうか。

先攻はあきら本店。どのように、相手を傷つけず、世界一優しい断り方をするのか、非常に気になる。

「チョコレートって、大体15度から17度、 湿度が50パーセント以下の方が保存しやすいんだって。 だから沖縄ってチョコレートに向いてない。保存ができないからね」

いきなり理屈っぽい!(笑)あきら本店らしいと言えばらしい出だしだ(笑)。

「その点、フィンランドはチョコレートの保存に向いてるんじゃないかなぁ。じゃ、チケット取っておくよ」

…断ってない!(笑)審査員からは、「これは悪いこと」だという発言が(笑)。この発言の真意は、もとしの回答の後に書くことにしよう。

後攻のもとしは、「チョコレートありがとう。でも俺お医者さんから糖分止められてるんだよね。でも気持ちは受け取ったよ」

この一言で会場は爆笑に(笑)。これは、どうやら勝負ありだ!

審査員は悩みに悩んだものの、3対2で、もとしの勝利!あきら本店の敗因は、どうやら、はっきり断らなかった上に、一緒にフィンランドに行くような素振りを見せたのが、「思わせぶりで、悪いことだったから」だそうだ。…うん、確かにこれは悪い(笑)。

最後は、あきら本店がハリセンチョップを受け、会場が爆笑に包まれてコーナーが終了。まさかの初勝利に、なぜか戸惑うもとしの姿も、お客さんの笑いを誘っていた。

エンディング
楽しい時間はあっという間。いよいよエンディング

楽しく、笑いに満ちた時間もいよいよ終わるときがやって来た。エンディングは、少し趣向をこらして、告知のある芸人が出て来て、15秒間で告知するというもの。

数々の芸人たちが告知をしていく中、最もインパクトを残したのが、デビュー前の芸人「ゆみこ準備中」だ。

なぜならFライブという、FECの自主企画ライブの告知だったにもかかわらず、告知をしなかったのだ(笑)。

「違うんですよ!違うんですよ!私は、宜保愛子じゃありません!」

と、どこかのドラマで聴いたようなセリフを大声で叫んで袖にはけて行ったのだ(笑)。さらに驚きの事実が発覚する。なんと、ゆみこ準備中は、あきら本店の弟子だという(笑)。なかなか強烈な弟子ができた、あきら本店。ドラマであれば、「果たして師弟の未来は…」と続きそうなところだ(笑)。

告知のコーナーが終わると、出演者が集合し、結果発表が行われる。今回、お客さんから得票を集めたのは…

3位 凸凹トラベリング

2位 あきら本店

そして、2位にダブルスコア以上の得票で1位になったのは…

1位 すいんちゅまーまー

第1位に輝いたのは、すいんちゅまーまー!
すいんちゅまーまーが2連続1位を達成した

お客さんから聞こえた笑い声が一番大きかった、すいんちゅまーまーが見事に1位に輝き、金メダルを獲得した!

そして、すいんちゅまーまーは、2連続の1位を獲得!果たして、来月のFECお笑い劇場を制するのは、一体誰なのか?まーまーの3連覇するのか?それとも、2位や3位だった、あきら本店や凸凹トラベリングが1位を奪取するのか?はたまた、ランク外からまくって来る芸人が出てくるのか?

来月のFECお笑い劇場も目が離せない!

FECお笑い劇場の帰り道、ふと考えてみたことがある。ライブが行われた「上の森かなちホール」の「かなち」の意味についてだ。

「かなち」とは、与那原大綱曳のとき、雄綱と雌綱をつなぐのに使われる「カナチ棒」から来ている。

つまり、上の森かなちホールで行われたこのライブは、芸人とお客さんとの心をつなぐ意味があったのではないだろうか、と。

お笑いライブが成功と言えるのは、お客さんからの笑い声が上がったことや、出演者の満足感だけではないだろう。

お笑いライブが成功したと言えるのは、出演者とお客さんが一体となって「楽しむ」空間を作り上げたときではないだろうか、と筆者は考えている。

その一体感を作り上げるために、芸人は時間をかけてネタを仕上げる。どうすれば笑ってもらえるかの先、どうすれば喜んでもらえるかを見据えてライブを作り上げる。

お客さんは、そのライブに参加し、笑い、喜び、幸せを感じながら帰っていく。そう、今の筆者と同じように。

お菓子の詰め合わせに入っていたのは、仲座健太のキス顔写真
ハンサムの仲座健太のキス顔は大当たりに違いない(笑)

P.S

お笑いって、本当に素晴らしい。だって、帰り際、チョコレートをもらえなかった筆者に、FECから素敵なお菓子の詰め合わせがあったのだから(お客さん全員に配られていました笑)。

-イベントレポート, お笑いライブ